ホンダ ジャイロ キャノピー、ヤマハ シグナス トライク(台湾・五期)、ICEBEAR ファルコン トライク(DF150TKA)メンテナンス・カスタマイズ情報

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リバーストライク ICEBEAR ファルコンについて


リバーストライク、または、逆トライクと呼ばれるタイプに属する 「 ICEBEAR 社製のファルコン 」 です。
一般的なトライクと違って、前が二輪、後ろが一輪。
初めて見る人には 「 なんじゃこりゃ? 」 ってスタイルですよね。 私的には二足歩行ロボットにでも変形しそうなイメージかな (笑)

特にこのファルコンは、フロントサスが独立懸架なのに加えて車体を傾けることが出来る 「 スイング機能 」 を装備してるのが特長的です。
上の写真のような、傾けた側の反対側のサスアームが グイッと伸びて見えるファルコン独特のこのポーズも、フロントサスまわりと連動する
スイング機能によって初めて可能になるスタイル。
普通の独立懸架との違いはサスストロークの最大値・最小値が状態に応じて変わるところで、このフロントサスの最大のウリでしょう。

「 えっ?! サスストロークが状態に応じて変わるって何よ? 」 って思った人も多いことでしょう。
そもそもサスペンションのストロークは取り付けたダンパーのストロークに依存しますので、基本的にはダンパーの最大寸法以上に伸びたり、
最小寸法以下へ縮んだりなんかしません。
しかし、このファルコンは 「 ある仕組み 」 を使って、スイング量に比例したサスストロークに変化します。

↓ その仕組みが、この写真。
     
まず車体を傾けると、傾けた側は傾けていない時よりも更にフルボトム量が増え、反対側は傾けていない時よりも大きくサスが伸びます。
車体を傾けただけで自動的にこの姿勢へと変わるのです。 普通のスイング機能だけでは、こうはなりません。
このようにフロントタイヤも車体と同様に傾くのが特長的ですね。( 普通のスイング機能だけなら車体は傾いてもフロントタイヤは傾かない )
しかし、よく見るとダンパー自体は左右とも長さが変わっていないことに気づきます。
写真では判りにくいですが、スプリングは左右どちらも同じ間隔で伸びたり縮んだりしていません。
これはダンパーを固定しているダンパーステーがサスアームや車体とは独立しており、ダンパーステーはスイング機能のロール軸を中心にして
移動が可能で、そのおかげでこのようにダンパーの状態と無関係にサスアームが動くのです。
そして車体が傾いても左右のダンパーが常にバランスを取り、コーナーリング中の走破性を直進時と変わらないものにしています。
まあ、簡単に言ってしまえば車体側のダンパーの付け根が動くので、動いた量に合わせてサスストロークが変わる仕組みってところでしょうか。
( 上の写真の黄色の矢印部分がダンパー上部を固定する位置で、車体を傾けるとこの相対位置が変わってストローク量に変化が起きる )

文字で書いてしまえば大して難しくない仕組みと思われるかも知れませんが。。。(^^ゞ
でも実際この仕組みはマジ凄くて、コーナー走行時に必要な 「 遠心力に対抗する姿勢 」 が可能になるんです。
ある意味、普通のトライクには全く無い能力。ファルコンのような仕組みでのみ得られる特殊能力って感じ。
この仕組みが無いと、通常は遠心力によってコーナーとは逆に傾こうと( 外側にロール )してしまいますからね。
この仕組みがあるおかげで、二輪車と同様に 「 車体とタイヤを一緒に内側に倒す 」 ことができ、三輪でありながら二輪に似た走行フィーリングが
得られるようになっているのです。

また、路面の轍(わだち)やアスファルトの継ぎ目、小さな段差等にも影響を受けづらく、ハンドルが大きくブレたりしません。
コーナーも比較的スムーズに曲がることが出来ます。このあたりは本当に一般的なトライクとは別物って感じがしますね。

しかし、だからと言ってこのファルコンが簡単に乗れる乗り物だということではありません。
一般的なトライクと同様に、それなりに乗り方のコツというか、テクニックが必要です。
例えば、二輪と違って車体を傾けただけでは、まともに曲がってくれません。ハンドルを使わないと曲がらないのです。
それもただハンドルを切れば良いというものでもなく、まず減速してから車体を傾けて遠心力に対抗するための姿勢を作り、
コーナーに合わせてハンドルを切って、曲がりおわったら車体を起こすという感じ。( 二輪と違って自然に起きないです )
この一連の動作を適切かつスムーズに行わないと、遠心力に負けて外側へと飛んでしまう 「 いわゆる、おつりってヤツ 」 が出て、
とっても怖い思いをしたりします (苦笑)

無論、ゆっくりのんびり走らせている時はさほど難しくありませんが、スピードが乗るほど操作はシビアになり熟練度が必要となります。
このあたりはどんな乗り物でも一緒と言えますけど、ファルコンにはファルコンだけの乗り味があり、乗りこなす楽しさがあるのです。 

ちなみにファルコンには、駐車時に車体が傾かないようにする 「 スイングロック 」 があり、更にブレーキを固定するロック機能があります。
これらを使うとセンタースタンドを使わなくても駐車しておくことが可能です。

↓ 左の写真の の部分がスイングロックのレバー、右の写真は後ブレーキをロックさせるためのレバー。 ブレーキロックは前後ともあります。
     

なお、スイングロックしてても走行は可能ですが、スイングロック中は警告ブザーが 「 ピー、ピー、ピー 」 と鳴ってしまうのと、
リミッターが効いて 20km/h 程度しかスピードが出ません。
この警告音とリミッターは簡単に解除可能なので、後日また記事にまとめて掲載しますね。
ただし、スイングロックしながら走行させるメリットはハッキリ言ってあまり無いと言えます (^^ゞ
ロックして走らせると普通のトライクと同様にハンドルが取られやすくなり、コーナーでは遠心力に負けて外側へロールするので怖いです。。。



【 諸元 】
型式 DF150TKA
全長 2,130mm ( 2,200 )
全幅 960mm  ( 1,150 )
全高 1,160mm

ワイド&ローブラケット使用時
全幅 1,050mm 〜 1,120mm  ( +90 〜 +160 )
全高 1,065mm 〜 1,085mm  ( -75 〜 -95 )

車体重量 160Kg
燃料タンク容量 約 14L
排気量 150cc
始動方式 セル&キック
点火方式 CDI
ブレーキ 前後三輪ディスクブレーキ

     
     
     
     
※ 上の写真のハンドル、グリップ、シート、タンデムバックレスト、アルミステップボード、テールランプ等はカスタマイズ例で純正品ではないです。



【 販売元、製造元などについて 】

ファルコンの販売元は、アメリカのメーカー 「 ICEBEAR 社 」 です。ファルコン以外にもいろいろなトライクを扱っている会社です。
ファルコンは本国アメリカでは 「 Sunny 」 という名称で販売されています。 ( ICEBEAR 社の YouTube 動画はこちら
製造は中国で行われていて、いわゆる 「 中華トライク 」 ってやつです。

まあ、やっぱり国産メーカー物と比べれば、全体的に作りが雑。そして、あちこち直ぐに壊れてしまう。。。ほぼゴミ同然(笑)
「 壊れやすいんじゃなくて、これは消耗品なんだ 」 って思えば、さほど気にならない… って、そんなワケないよな (^^ゞ
徹底的、、、それこそもう隅から隅まで徹底的に手を入れてやれば、そこそこ付き合っていける相棒になるかもね?

まあ、四輪の輸入スポーツカーとかでも 「 壊れやすい、作りがよくない、手がかかる 」 なんてごく普通のことだし、
そういった車のグローブボックスには応急処置用のハリガネ、ガムテープとか常備しておくって言うしね (笑)
二輪だってあのハーレーでさえ 「 輸入した状態ではエンジンがかかない、開けてみたらピストン入って無いし 」 なんて話も
よく聞く時代がありましたから ( ハーレーにふさわしいダイナミックなエピソードですね ) 、それらと比べたらまだまだカワイイ
ものかも知れません。


 
【 使用されているパーツに関して 】

外装はもう見た通り、ヤマハのマジェスティ ( SG03J ) そのものです。
使われているほとんどの外装パーツがマジェスティ互換ってゆーか、マジェスティ用社外パーツをそのまま流用している状態と言えます。
ヤマハ純正はもちろん、社外のマジェスティ用アクセサリ類も当然使用できます。( 物によっては要改造・要修正 )

エンジンは 「 157QMJ 」 という型式ですが、分類的にいうと 「 GY6 型系エンジン 」 ですね。
もともと GY6 型ってエンジンは、ホンダが著作権フリーで公開したエンジン設計をもとにして中国で発展したエンジンのようで、 
50cc をはじめ、200cc 越えもあるバリエーションが豊富なエンジンです。
中国製のスクーター型バイクの多くがこの系列のエンジンを搭載しています。

エンジン本体とか、駆動系パーツ、電気系パーツ、燃料ポンプ等、その他、多くの消耗パーツをオークションやネット通販で見かけます。
もちろんそれら全てが使用可能だとは思いませんが、輸入モノでありながら日常整備で使いそうなパーツが入手しやすいのはマジ助かります。

それと、、、一応、早めに交換しておいたほうが良いパーツについて書いておきます。
基本的にゴム系パーツは早期交換が必須ですね。
まず、燃料ホースや負圧ホースなどは信頼おけるメーカーの物に交換しておくのがお薦めです。
次にゴムが使われている電球ソケットなど。出来ればライトユニットごと交換しておくと見た目もクオリティーUPでよろしいかと。
交換というより工夫が必要なのがセンタースタンドに付いているゴムローラー。このパーツは直接エンジンに触れるため熱で溶けます。
耐熱のアルミクロスなどをローラー幅サイズに切って巻き付けて保護しておくのが良いでしょう。
あと、タイヤ交換の際はバルブも消耗品として交換しておくのが良いと諸先輩の方々より聞きました。

そして最後にとっても重要な箇所、それはブレーキ。
マスターシリンダーが突然壊れてノーブレーキになる車両が多発してます。 私のも突然壊れました。
ブレーキホースからのフルード漏れもメジャーな症状なので、ブレーキは総合的に交換しておくのがお薦めです。( ってゆーか必須 )


 
【 スピードについて 】

正直なところ、あまり速くはないです。(^^ゞ
それでもまあ、一般道で普通に使えるぐらいですから、さほど問題視するようなレベルではありません。
私は同じ排気量のシグナストライクを持っていますが、シグナストライクと比べて遅いです。
無論、これはシグナストライクよりもファルコンのほうが大きくて重いせいでしょう。 

「 実際のところ、何キロまで出るの? 」 ってよく尋ねられますが、純正メーターがハッピー仕様なので正確なところは不明です(笑)
あくまでも感覚ですが 70 〜 80km/h は普通に出る感じです。
センタースタンドを立てて無負荷で回してやると、メーター読みで 140km/h とか平気で回りますけど。。。
まあこれはハッピー過ぎるのと、実際は荷重や走行抵抗や空気抵抗でそんなに回らんでしょうね。
ってゆーか、ギヤ比を高速タイプに振りすぎじゃね? って感じ。 もうちょいギヤ比おとしてやれば出足がもっと良くなると思います。
( スピードセンサーは後輪側にあるので、センタースタンドを立ててエンジンを回すとメーターも回ります )


 
【 お薦め出来るモノなのか、そうじゃないのか 】

所有して数ヶ月経った感想を書きます。
ハッキリ言って一般的な方々には全くお薦め出来るようなモノではありません(笑) 

まず、片っ端から壊れます。ホント、次から次へと (^^ゞ 
で、新車で買っても基本的に 「 現状渡し 」 ですから、何がどう壊れたって自己責任。自分で直すしかありません。 
修理するためにバラそうとすると、バラした所も壊れていく。
例えばプラスチック部分はボロボロ折れるし、ゴム部分は亀裂が入ってもげてしまう。
鉄で出来たボルトでさえ、緩めようと工具をボルトに当てた瞬間にポロリと折れる (苦笑)
まあこれはナメたボルトが無理矢理ネジ込まれてあったせいだけどね。
…ってゆーか、ボルト類はナメているか、カジッているのがデフォルトだと思って緩めないとダメです。

ただ、走行に影響しない部分ならまだ救われるけど、直接走行に関係する部分だと、ボルトが折れた瞬間にただの鉄屑になっちゃうから。。。 orz
もちろんね、買った所に相談したって無料で交換パーツが出てくるワケじゃない。 有料ですよ、明らかに製造に起因する問題であってもね。
さらに困ったことに、パーツを買おうと思っても在庫切れだったり、取り寄せは数ヶ月待ち。。。 そして納期の約束は平気で破られます。
また、届いてもサイズが狂った欠陥品、付属パーツ欠品なんてことも実際にありました。

※ 私的意見ですが、本来なら売ってる側が製造・組立に起因する故障・不良は全て真面目に責任を取るべき。

そうすれば必然的に製造工場の管理もしっかりやるようになって製品の質も段々と良くなってくるハズ。
しかし、ノークレーム・ノーリターンの売り逃げ商法だから、品質の管理なんかやらないワケ。
製造工場をしっかり管理してないから、いつまで経っても技術が向上しないし粗悪製品しか作れない。
中華だから… と逃げずに真面目に取り組んで欲しいです。中華だってまともな製品は沢山あるのですから。
…というかそれが常識では?
ファルコンって、実に楽しい乗り物だし、メカ的にも面白い。
だけど品質はゴミ同然と言っても過言じゃない感じ。。。ホントに残念。



【 世界で一番、天国に近い乗り物 】

ここまで読んで 「 えっ? なにそれ全然フツーじゃん? 壊れて当たり前、無保証も当たり前、品質も最低でゴミ同然も当たり前 」 って
言える人になら、お薦めします。 楽しい乗り物ですよ〜 
中華バイクや中華トライクに慣れ親しんだ人なら、マジでこれぐらいフツーと言えますので (笑)

ただし、死に至る壊れ方もあるので、強運の持ち主じゃない場合は充分に気を付けて下さいね。 
例えば私が実際に経験した事ですが、納車された日に近くの ( …と言っても数キロ先の )ガソリンスタンドに行って満タンに入れて、 
試走ついでに軽くそのあたりを走って帰ろうとしたんですが、、、 なんとなく嫌な予感があってそのまま真っ直ぐ帰宅。 そして、、、

帰宅してビックリ、、、 なんと燃料漏れで、タンクからフレームやアンダーカバーを伝わって 焼けたマフラーの直前までガソリンが!!! 
もうちょっと、マジであとホンの少しって所まで流れて来ているじゃないですか。。。

※ あとでバラして判った事ですが、タンクの一部に亀裂と、燃料計センサーの取付不良。あと溶接不良で 3箇所ぐらいから漏れてました

あのまま走ってたら、ガソリンの滴が熱く焼けたマフラーに飛び、あっと言う間に引火して炎上してた事でしょう。
気が付いたら病院、もしくは、あの世だったなんて事も可能性としてはメチャメチャ高かったと言えます。
今、思い出してもホントにゾッとするエピソードです。
リバーストライク・ファルコン、、、天国に一番近い乗り物なのかも知れません。。。


それとこれは私の話じゃないですが、新車で購入された人が購入地の名古屋からご自身の地元の東京まで乗って帰ろうとしたところ
名古屋を出てお隣の県の静岡 ( スタートから約200Km 地点らしい ) まで来て突然ガス欠でストップ。
JAF を呼んでガス欠の原因を調べてみたら、燃料漏れ。。。
はい、またもや新車で燃料漏れです。引火して大事件にならなかったのが不幸中の幸いと言えます。
この事件の様子は、ニコ生 でネット配信されていました。2014/11/30 〜 12/01
私のファルコン納車時の燃料漏れ事件から約 1年経過してますが、相変わらずのクォリティーのようです。
ちなみにこの方のファルコンもトラブルが多発。
新車購入後、たった 20日でエンジンから異音発生。さらにキックギヤ破損、セルスターターギヤ ( またはセルクラッチ ) も破損で不動車に。
現在はエンジンを載せ換えて走るようになったそうですが、もはやクオリティーがどうのこうのと言うレベルではありません。。。


ともかく、買ったら直ぐに乗らずにフルメンテ。これ重要。
全部バラして、ゴム類は総交換、ナメてるネジも総交換、ネジ穴はタップで修正しましょう。
出来れば、ネジ・ボルト・ナットは強度のある物( 錆びにくいステンレス製がお薦め )に全交換するのが吉。
配線・コネクターは総チェック。線が抜けかかっているのは当たり前なので、しっかりと確認しないとダメです。
特に電球ソケットは電球の熱で溶けてくるものもあるので、交換しておくのがお薦め。
可能であれば、ブレーキ系は全部交換すべき。マスターシリンダーは日本メーカー品に交換しましょう。
そして片っ端から壊れても気持ちが折れずに楽しくいじって行ける強靱な精神さえあれば問題無し (笑)


最近聞いたお話では、購入店が違うと車体の出来ぐあいも結構違う ( もっとクォリティーが高い店もある ) らしいです。。。
まあ、出荷先に合わせて真面目に作ったり、その逆で、手を抜いて作ったりとか色々あるでしょうね。
大陸系では 「 商品の値段や質 」 は相手を見て決めるって、極々フツーのお話。

なにはともあれ、先にも書いた通りで一般の方々向けじゃないのは確かです。
いじるの大好き、壊れてもへこたれない人には、エンドレスで楽しめるトライクと言えるでしょう。 


記事掲載日 2013/12/30
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