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FI 化 ( インジェクション化 ) 空燃比について

 今回の FI 化 で最も重要なキーワード、それは 「 空燃比 」 です。
現在作成中の自作インジェクションコントローラーは、空燃比計からのデータを受け取って自動で空燃比を補正する仕組み。

「 空燃比 」 に関する解説は、今さら私が書くまでもなく、他のサイトやウィキペディア等をご覧頂ければと思いますが 
今回は、「 実際に何をもって空燃比とするか? 」 と言う点について、ちょっとだけ考えて行きたいと思います。 

一般的に言うところの空燃比とは、ガソリンと空気を混ぜる質量比であり、14.7 あたりが理想的な比率と言われています。 
ただ、この比率はあくまでも計算で算出されただけの、言わば仮の値に過ぎません。
例えば、寒い時は濃くするとか、暑い時は薄くするとか、センサーから得た情報をもとにガソリンの分量を計算するのですが、 
ここであえて、こういった計算で割り出した空燃比を 「 計算空燃比 」 と呼ぶ事にします。 

実際には、気温や水温度、気圧、エンジン回転数などにも影響されるため、混ぜ合わせる理想的な比率は変動します。
そのため市販車では、吸気温度センサーや、水温センサー、気圧センサーなどからのデータをもとに最適な空燃比の状態を
予想しながらその比率を算出するワケですが、O2センサーも利用して、濃いのか薄いのか、その答えを正しいほうへと
補正しています。

ただし、市販車等に使われている O2センサーは、実際に燃焼後の排ガスを計測して空燃比を割り出していますが、
しかしそれは空燃比が理想値に対し 「 濃いのか? それとも、薄いのか? 」 という単純な答えしか判別出来ません。
また、この判別はせいぜい 3,000 〜 4,000 以下の低回転域までしか使えず、全域をカバー出来るモノではありません。
( 高回転域では濃いめの空燃比が必須のため、単純な 「 濃い・薄い 」 だけの判別では適切な比率が割り出せません )

それに対し、市販の 「 ワイドバンド 」 と呼ばれるタイプの空燃比計は、空燃比が 10.0 〜 20.0 ぐらいの範囲を
計測する事が可能で、実際の燃焼結果としての 「 空燃比の数値 」 が判ります。

※ 市販車のO2センサー → 濃い、薄い の判別しか出来ない
ワイドバンド空燃比計  → 10.0 〜 20.0 までの数値として空燃比値を知る事が出来る、そのデータを他の機器へ出力可能

もちろん、低回転から高回転域まで、全域で計測可能です。
計測データは、空燃比計から出力が可能です。 そしてこのデータをインジェクションコントローラーが利用します。
ここでは、この計測によって数値として知る事の出来る空燃比結果を 「 実測空燃比 」 と呼ぶ事にします。
ちなみに 「 実測空燃比 」 を利用してインジェクションをコントロールする場合は、極端に言うと、吸気温度、水温、
気圧などのセンサーが不要になります。
「 空燃比の答え 」 をリアルタイムで知る事が出来ますから、吸気温度、水温、気圧などのセンサーを使わなくても
理想値を知ることが出来るからです。

※ ただし、市販の空燃比計のセンサーは、排気温度が上がるまで正しく計測出来ないため、始動時や冷間時は使えない。
少なくとも排気温度が上昇するまでは、他のセンサーからの補助が必要。


さて、ここまでお読みになれば、今回の FI 化は一般的に言う空燃比の 「 計算空燃比 」 のことではなく、 
燃焼結果を計測した「 実測空燃比 」 を利用したモノであるとご理解頂けた事と思います。 
吸気温度、水温、気圧などの各データを収集して理想値の予想を算出するのではなく、実測空燃比の答えを見て
コントロールすることが出来るので、常に的確な正しい値へと補正される便利な仕組みです。

無論、便利な反面、問題点もあって、市販のワイドバンド空燃比計のセンサーは寿命が短め。。。 
センサーは湿気に弱く、取付位置や取付方向にも気を使います。 
まあ、便利ながらも、このあたりがまだまだ市販車に使われない理由なんでしょうね。 


なお、この 「 計算空燃比 」 と 「 実測空燃比 」 の関係で勘違いしやすいのが、
例えば、市販車の場合、冷間に始動して暖気運転する時など、当然ながら 「 空燃比は濃いめ 」 であると考えがちですが、 
実際の計測結果は、アイドリング状態ならば理想値の 14.7 あたりの空燃比です。 
「 あれ? もっともっと濃いんじゃないの? 」 って思われた人も多いことでしょう。
あくまでも濃いのは 「 計算空燃比 」 のほうで、冷間時はだいたい 10.0 以下の非常に濃い比率になっています。 
しかし、その燃料が全て気化して燃焼するワケではありません。
冷間時は気化率が悪いので、燃焼結果としての 「 実測空燃比 」 が理想値の 14.7 になるように気化率が悪い分として
多めに燃料噴射しているという事です。 
ですので、暖気中の濃い噴射量でも、暖気後の普通の噴射量の時でも、実測空燃比は同じになるのが正しい状態と言えます。




記事掲載日 2016/08/25
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