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バイクエンジン FI 化 ( インジェクション化 ) 自作インジェクションコントローラーについてのまとめ

 
メールで数件ご質問を頂きましたので、自作インジェクションコントローラーの機能等について、
内容のまとめを掲載致します。


【 開発コンセプト 】
このコントローラーは、本体のみで設定の変更や、設定内容の表示、動作中の状態の確認が可能 になっています。
特にパソコンやスマホ、タブレットなどの外部機器は一切必要ありません。
基本的にバイク用のインジェクションコントローラーですからね。
パソコンとかタブレットなんて持ち歩きたくないし、スマホじゃ見にくいし (苦笑)
まして運転しながらとか、そんな邪魔なモノを使って操作してたら危険です。
( …と書きつつも ENIGMA とか結構興味あったりするけどね (笑) )

それと、外部機器との接続に有線であっても無線であっても通信で繋げると言うことは、
通信エラー等により本当に正しい内容を見れているのか? 本当に正しく書き換え出来たのだろうか?
と常に疑問が付いてまわります。
つまり、一見使いやすいように見えるスマホ・タブレット等のインターフェースは、実は最大の落とし穴であり
もしエラーや誤動作等で間違った値が書き込まれた場合、大事なエンジンを壊す事にもなりかねないワケで。。。

そういった危険性・不確実性を徹底排除し、いつでもどこでも確実に正確なデータ表示・書き換えができ、
そして制御状態を見たいその瞬間にリアルタイム表示。 
本体がそのままインターフェースとなる、他には類を見ない独特な作りになっています。

そして最大の特長は、ワイドバンド空燃比計( A/F 計 )との連動で、空燃比の計測結果をもとにして自動補正を行うこと。
いわゆる自己学習タイプの ECU です。
マフラー内の空燃比を測る、それは燃焼結果を知るということですから、極端に言えば吸気温センサーや圧力センサーなどの
一般的なインジェクション用のセンサーが不要となります。
なぜなら、それらの一般的インジェクション用センサーから得る値は、燃料噴射量を決めるのにある程度の 「 予測 」 を
する情報源に過ぎず、確実な「 正解 」 とは全くの別モノ。 そうです、シリンダーに入る前の事前予想のようなもの。

それに対し、マフラー内の空燃比計測結果は、シリンダーから直接出てきた 「 答え 」 そのもの!
常に正確な答え合わせをしながら制御しているワケですから、燃焼効率を最大限に引き出す理想値に近づけるのも容易。
…と言いますか、その適切な噴射量へと自動で補正して行く機能を搭載しています。

あと、本当は点火系も一緒に作りたかったところなんですが、今はあえて手軽に使えるように点火系は含めていません。
このあたりは今後の検討課題で、手軽さをトコトン追求する方向でこのまま点火系は含めないのか、その逆の方向に進むのか
じっくり考えて行こうと思っています。


【 自作コントローラーの主な機能 】
個々の機能の詳細につきましては、また個別に記事にしようと思います。
ここでは主な機能を列挙しておきます。

1.基本噴射量を 2系統で管理
「 暖機中 」 と、「 暖機後 」 の 2つに分けて、それぞれ別に基本噴射量を設定してコントロールしています。
暖機中も暖機後も、A/F 計の空燃比計測結果をもとに基本噴射量を自動補正します。
なお、設定値は 1 あたり 10μs ( マイクロ秒 )で噴射量を制御できます。
動画 : 暖機中の A/F 自動補正
動画 : 暖機を済ませた後の A/F 自動補正

2.始動時増量
エンジン始動する場合、エンジンが冷えていても暖まっていても、始動性を良くするには一定以上の噴射量が必要です。
特にエンジンが冷えていると初爆するまではかなり濃いめの燃料が必要です。
また、暖機後でもある程度は燃料を濃くしてやらないとエンジンがかかりにくくなってしまいます。
冷間時の初爆までと、暖機後の始動時に必要な量をそれぞれ設定し、コントロールすることで始動性を高めています。
始動後は、この増量分をフェードアウトするように減らします。
このフェードアウト速度も設定可能。
フェードアウトし終わる前に A/F 計が稼働した場合は、空燃比計測結果をもとにこの増量分も補正します。

3.温度補正
A/F 計はマフラー内の温度が高まるまで計測を開始しません。
そのため、エンジンをかけてから空燃比計測を開始するまで数十秒程度のタイムラグがあります。 
このエンジン始動から A/F 計稼働までは、始動時増量に加え、エンジンをかける時点の温度に合わせて増量します。
A/F 計が稼働後、暖気中は空燃比計測結果をもとにこの増量分も補正します。
温度用の増量マップを搭載しており、増量値は本体のみで自由に編集が可能。
また、A/F センサー故障時など、空燃比計測なしでも動作可能にするため、温度設定だけで動かすモードも備えています。

4.回転リミッター ( 燃料カット )
燃料カットによる回転リミッター機能を搭載しています。
通常、キャブ車では点火カットのリミッターが付いてますが、当コントローラーの仕様上、点火カットされてしまうと
正確な回転数の把握が出来なくなってしまうため、点火カットが入る寸前にこのリミッターを作動させることで
常に回転数を正確に把握出来るようになっています。 リミッター作動回転数は細かく設定可能。

5.スロットル開度別の空燃比設定
自動補正するための空燃比の設定は、アイドリング用と、各スロットル開度毎 ( 5%刻み ) にそれぞれ別の設定が可能。

6.燃調補正マップ ( 回転数 ・ アクセル開度 )
回転数とアクセル開度による燃調補正マップを搭載。いわゆるスロットルスピード方式とか α-N 方式とか呼ばれているタイプ。
この補正マップも A/F 計の空燃比計測結果をもとに自己学習し、マップ更新が可能。
もちろんマップの値は本体のみで自由に編集が可能。

7.空燃比センサー感度調整
空燃比センサーの感度調整が可能です。

8.加速ポンプ
アクセル開度毎 ( 5%刻み ) に加速ポンプの増量を設定できます。
もちろん加速ポンプ機能が働いている瞬間は、空燃比の自動補正が一時的にキャンセルされます。

9.補正範囲の設定 ( A/F 値、回転数、アクセル開度、温度 )
各条件を設定し、空燃比による自動補正を 「 行う・行わない 」 の範囲を変更可能。

10.補正マップのオフセット
燃調補正マップを全体的に増減可能なオフセット機能を搭載。

11.完全リアルタイム表示機能 
外部機器やデータ通信を使わず、本体に搭載した LED表示機能 ( 7セグ ) で、インジェクターの稼働時間や
今現在の燃調補正マップの使用している位置、温度、空燃比などのデータを常時・完全リアルタイムで表示可能。
この機能のおかげでセッティングが非常に判りやすくなっています。



【 仕様 】
1.適合する車両
ガソリンエンジン 単気筒用
基本的に点火方式は、フルトラ・CDI を問わず可能ですが、市販のタコメーター用パルスジェネレーターを
別途使用してなるべくクリアな点火信号にする事が望ましいです。
レブリミットは 10,000rpm 以下。それ以上の制御は現在の仕様では出来ません。
キャブ車の FI 化 ( インジェクション化 )、もしくは、もともと FI 車のインジェクターのみコントロールしたい場合に
このコントローラーを使用します。

2.搭載しているマイコンチップ ( PIC18F26K22 64MHz )
いわゆる 8 ビットマイコンと呼ばれているチップのひとつ。このチップを使用しています。
もっと上位のチップを使う選択肢も当然あるが、「 趣味の物は 8 ビットで作る 」 が私のポリシー。
8 ビットマイコンは種類も豊富だし、趣味用として多機能なモノも多い。
なのであえてこのチップを使ってます。
プログラムの腕次第で、いくらでも可能性を秘めていると言うか、マジで腕の見せどころでしょう。
まあ、ハードウェアに 「 縛り 」 を設けて、プログラミングセンスで勝負するのは楽しいですからね (笑)
空燃比計測、アクセル開度測定、温度計測、自己学習を同時にしながら 10μ 秒単位で燃料噴射をコントロール出来ているので
このチップの能力で充分ですよ。
8ビットマイコンもプログラマーの実力次第 …って事です。(^o^)v

3.入出力

【入力】
点火信号
アクセル開度センサー信号 
エンジン温度センサー信号 ( 水温、または、クランクケース温度など )
ワイドバンド空燃比データ ( 空燃比 10 〜 20 )
設定変更スイッチ × 3

【出力】
LED表示 ( 4桁7セグ ) 
インジェクターコントロール
点火信号 ( タコメーター用 )
電源コントロール


【 今後の予定… 】
プリント基板で綺麗に仕上げましたが、その後、機能追加や安定化のために追加した外部基板もあり、 
それらをひとつにまとめたいので、もう一度プリント基板を設計し直して新しい物を作る予定です。 


記事掲載日 2016/11/10   最終更新日 2017/09/15
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